#4 想像していた簡素な部屋よりも10倍簡素だった時、人は何を思うか
幼なじみの死、仕事、人生 ect..
脳内カオス状態を脱するために、タイのチェンマイ郊外にひっそりと佇む瞑想寺を目指すことになった私。
ソンテウという、チェンマイのオサレ交通機関をつかって(乗合ジープみたいな)
ワット・ウモンという、瞑想ができるらしいお寺についた。
大通りから入って、中心地よりも少し離れた住宅街を延々進む。
他に乗客はおらず、ソンテウ貸し切り状態でついに到着。
森の中で、降ろされた。
うわー、なんだ。ここ。
イメージ通り過ぎる。
気持ち悪いくらい理想通りの場所だ。
この、木漏れ日の感じとか、道端の草木とか、鳥や虫の声、、
全てが計算し尽くされたような、この草の長さ、角度、何だかよくわからん虫がミンミン、づーづー鳴いている。
その中に佇む仏像の存在感が、ハンパない。
全てが瞑想の効果を最大限に引き出すためにために、け、計算し尽くされている!!
どんだけ最新鋭のAIを活用してるんだ。
完璧すぎるだろ。
森の中を進んでいくと、建物を発見。
中に、坊さんが一人、ダルっそうに座っている。
「あのー、ここに瞑想施設があると聞いたので、来てみたんですけど~」
「おう、あるぜ」
「一日のスケジュール表を見せてもらってもいいですか?」
「そんなん、ないけど」
「ない?」
「瞑想したけりゃ、好きなだけやったらいいべ」
↑東北弁しゃべりそうな顔してた
Oh, 放置プレイか!!
私はてっきり、
朝5時起床、瞑想、朝食、瞑想(滝の中)、昼食、瞑想(座禅)、休憩、瞑想(焚火のそば)、就寝、、、
みたいな過酷なスケジュールを想像していた。
さすが海外、インターナショナル瞑想道場、自主性を重んじているのね!
と、勝手な解釈を交えつつ、部屋に案内してもらう。
階段を上がって、薄暗い女性専用フロアに到着。
狭い個室が並んでいる。
一番奥の部屋に案内されると、畳2畳ほどのスペースに、ゴザが一枚。
GOZA…
これって、アレですよね?死体をくるんだりとか、どざえもん用に使う、アレですよね?
そりゃあ、ふかふかのベッドに寝たいなんて煩悩は捨ててきたつもりです。
寝るときはせめて、食器用スポンジくらいの何かしら厚みのある物体の上には寝られるものかと、、
それも私の捨てきれない煩悩だったのかと、いま心から反省しております。
誰に向かって反省の弁を述べているんだ。
ああ、この事態を予測して、スポンジを沢山持ってくるんだった。
ベランダからはこれ見よがしに、瞑想にピッタリでしょ!!と言わんばかりの、新緑、木漏れ日、小鳥のさえずり。
うーん、このベランダで点数稼ぎをして、ゴザのマイナス点をチャラにしようとしてるな、、
なんという、恐ろしく計算高い瞑想施設だ。
恐怖すら感じる。
1日の決まったスケジュールはないものの、朝食時間と昼食時間、あとは夕方に坊さんのお説教の時間があるようで、どれも参加は自由、瞑想も好きなだけご自由に、ということらしい。
ちょうど、もうすぐ夕方に差し掛かる頃でお坊さんの話が聞けるようなので、別棟に向かうことにした。
そこでまたもや、衝撃が待ち受けていた。